
チロは私のベッドに潜り込んでくるのが大好きで
いつもごそごそと音がしたかと思うと
布団に顔をつっこんで突入しようともがく
チロのおしりがあった。
そうすると私も一緒になってふとんに潜り込んで
チロ相手にかきかきしながらお話をした。
真っ暗な布団のなかでチロが眠ってしまうのを見届けるあの時間は
私とチロの二人きりのあったかくて優しい至福の世界だった。
私はゆうべ一晩中、チロとそうやって過ごした。
夜があけてくると私は、チロを連れて散歩に出かけた。
チロが私を見つけやすいように、迷わないように、
私は家の近くの冷泉通の桜並木を通りながら
「これが目印だよ」「ここを曲がるんだよ」
とずっと撫でながら話しかけていた。
桜が綺麗だった。
桜の花びらの川ができていて、すごく綺麗だった。
この疎水の川の水は、うちの水道と同じ。
チロはきっとうちに近いこの川のふもとで眠りたいかなと思った。
それからお昼前まで、私はずっとチロとベッドにいた。
一緒に眠っちゃったときのように、枕にふたりで並んで
チロは私がずっと手の中にのせていたせいか、撫でていたせいか、
あたたかくて、ふわふわして、いつもの甘い香りがして
まるで生きているみたいだった。
100回 キスをした。
何万回もこれから、祈るんだろう。
生前私はチロが死んだら剥製にしようと思っていた。
こうなってみて混乱した頭で剥製を調べたら、
マメルリハは製作代が5万円だった。
そこで目にしたのは
すぐに氷で冷やして冷蔵庫に入れて
冷凍肉と明記してクール宅急便で送ってくださいって。
私は以前、うさぎを亡くされた方が冷蔵庫に遺体をしまって
ずっとペットロス症候群で泣き暮らしていて
家族にどうする?と問い詰められたときに
「食べる」
と結論を出したという話を聞いた。
私はその時私だったらバッグにしちゃうと思っていたのに
今チロを冷蔵庫に入れるなんてことがそもそもできなかった。
大好きだったのに
沢山愛をくれたのに
冷たい冷蔵庫に入れたり、熱い火で焼いたり、
私にはできないよ。ペット霊園の共同墓地にいれちゃって
猫に追いかけられたらかわいそうで。
でもこの今はまだ綺麗な体が、どんどん傷んでいくのを
見届ける勇気もない。
だから
チャイムが鳴って、有無を言わさず
チロと沢山の思い出の品を集めたお皿を持って車に乗せられたときは
ああ、これでいいんだと 思えた。
私は近所の桜並木に埋めるのがいいって言ったんだけど
下の方はじめじめしていて駄目なんだっていう。
山の上のほうで車もあんまり通らなくって
大自然のなかが一番いいんだって。
途中でひまわりの種を一袋買って、花をたくさん買って、
着いたのは満開の桜の大木でピンクに染まった大原だった。
「ここなら比叡山も近いし、浄土できる。自然の中が一番いい。」
綺麗な水の流れる川べりに大きな桜がいっぱい並んでいて、私の大好きな橋が架かっていた。
彼はそのなかのひときわ大きな一本の木の下を
「桜は弱いから根を傷つけたらあかん」
といいながら、丁寧に掘り始めた。
そこに埋めるとチロは、桜の樹の下で桜の根に守られるから
大丈夫だって、綺麗な体のまま満開の桜になるんだって。
だから毎年ここへ来て、桜を見ようって。
チロに逢いにきてあげようって。
色んな鳥が飛んでいて、仲間がいっぱいいて、水も美味しくて
だから棺にいれないで、このまま沢山のひまわりやおもちゃや
好物のフルーツやブランコにしていたリースと一緒に
眠らせてあげようって。
早く自然に開放してあげようって。
飛びたくてうずうずしているはずだからって。
私は、大声で泣きながら用意していた鋏で髪を一房ばっさり切って
チロがぶらさがって、じゃれて、のぼってた髪を
一緒にいれた。
「いつも一緒だよ」
桜は冷泉通よりもはるかに、綺麗だった。
そのあと橋に腰掛けて、いっぱいチロの話をした。
ここじゃ寂しくないか、
私の家は遠くて心細いのではないかと心配する私に
「渡り鳥はシベリアから来るんやぞ」
と言われてなんとなくそうかと思えた。
チロはきっと、私のそばにいる。
今もずっと私のそばにいる。
少しだけもらって綺麗な羽を、形見にして
私はまた小鳥と暮らしたい。
私の碧い宝石 チロ。
チロが眠る桜の樹の下に、沢山のはこべやあおいぬふぐりが咲いていた。
この青い小花が、チロにそっくりだったので
私は愛しくて、
また沢山泣いた。
チロのために用意した棺の宝石箱に
少しだけその桜と青い小花をいれた。
写真は、撮ったら駄目だっていうので
撮れなかった。
残す行為をすると
「残る」
そうだ。
「残るから駄目だ」
写真も、位牌も、このまま私がひそかに考えていた
すべての小鳥とうさぎを手放すことも。
だから、この写真だけ。

さよなら チロ
ブログを書いてみましたが
気が動転してしまって、どうしていいかわからなくて
ただ震えて、両手のなかにチロを閉じ込めたまま
ずっと頬ずりして泣いていました。
今は、着用しているタートルネックのネックの部分に
いつものようにチロが潜り込んで寝ていたときのように
首元にいます。
私には仕事があって、しめきりが月曜のものもあって、
お腹をすかせたうさぎや小鳥がいて
そこで奮い立たなきゃいけないのはわかっていて
でもどうしたらこの子を眺めずにいられるだろうかと考えて
とにかく葬儀をしようと思った。
私は今まで亡くなった小鳥は
鴨川のほとりかお庭に埋めてきたのですが
今回ばかりはチロへの愛情がはんぱじゃなくて
ずっと一緒にいたくて
どうしたらいいのかわからない。
で、鳥のお葬式と霊園を調べてみたんだけど
自分のなかでどうしても
このチロの美しい肢体を火葬するなんてできない。
骨になれば自分のもとにおいておけるといっても
この顔を熱い炎で焼いてしまうなんてできない。
でもじゃあいつものように土葬にしたら
そうしたらきっと土中の虫に食べられちゃうんじゃないかと心配で
でも棺を用意して閉じ込めたらきっと、
せっかく綺麗な川が流れて花や木が咲き誇る草原に埋めたのに
飛べないんじゃないかって思える。
私の両親は兄弟を選んでしまって、兄弟もどちらかをちゃんと選べた。
でも私はどちらも大切だったからどちらかを選ぶということができなかった。
結果ひとり暮らしをはじめたら、それが当然のようになって
それでも私は誰かに選ばれたかった、誰かに家で
「おかえり」
といって欲しかった。
そしていつのまにか私はうさぎや小鳥を飼うようになった。
自分が寂しさをまぎらわせたくて飼ったくせに
ひとりぼっちに待たせておくのがかわいそうになって
結局うさぎは3羽に、小鳥は4羽に。
でもみんなが仲間同士で仲良くなっていくなかで
チロだけは、私だけを変わらず待っていてくれた。
朝起きるのも、仕事が終わるのも、買い物も、お風呂も、眠るのも。
そのチロを、どうして手放したらいいんだろう。
以前私はおなじように、星になった二代目のしゅりを
どうしたらいいかわからずにいて
見かねて彼氏が泣き暮れる私を強引に川へ連れて行き、
強引にその子を埋めさせた。
土をかけていくのは本当に身を切られるように辛くて
私は何度も掘り返そうとしたけれど止められて
「俺を悪者にしたらいい」
そう言われて彼を叩いてしまった。
でも結果、私は自分のなかでどこかでけりがついて
どこかで楽になった。
いなくなることに馴れなきゃいけないと、必死だった。
3代目のしゅりを迎えるときは
「同じレモンフェース 同じパステルブルー」
そんな私のご都合主義で選ばれてきた可哀想な子なのに
いつのまに私はその子に夢中になった。
「明日の朝一番に行くぞ」
彼がそうメールしてきたということは、
私の今の状態がわかるんだろう。
それまで一緒に、今夜は私とチロの最後の夜、
そうしたら、色んなことをしてみようと思った。
明日これを書いたら、また悲しみがぶり返してしまうので
今日、何度もこのブログを全部読み返しながら
首もとのチロにすりすりしながら。
最後だけは、りゅうのいないところでしゅりとお別れ

用意したチロが大好きだったもの

くるみパンは本当に大好きで、食べたらだめって言っても
「せめてクルミだけ〜」
っていつも引き下がらなかった。
そして 最後のにぎころ&手の上ベッド

明日はひまわりの種とお花に包んであげる。
まだ何も覚悟なんてできてないよ。
チロは死ぬ前に、全然鳴かなかった。
それでもチロの声はしっかり耳に残っていて
だからいいかと慰めながら体をなでていたら
「ク」
と鳴いた。
まさかと思って正気に戻って何度か体を触ってみたら
それはおなかを押したら鳴る空気音だった。
それでもまぎれもなく、クウが眠りながら出す声だった。
最後にちゃんと声を聴かせてくれたとわかって
ぼろぼろぼろぼろ涙が止まらなかった。
チロはまだ手の中にいて、羽はいつものとおり柔らかくて
くちばしはいつものとおりピンク色で光っていて
瞳は私を見つめたままで
爪はすこし伸びていたね。
もっと、
もっと早く気づいてあげれたら
もっと沢山ひまわりあげていたら
もっと遊んであげれていたら
もっとよく診ていれば
私が怠慢なばっかりに。
一番大事な子を死なせてしまった。
ひとばんじゅう、ずっとこの甘い香りに顔をうずめて
長い夜が明けるのを待つよ。
最後に一緒に、ずーっと一緒に。
ふたりだけで過ごそう。
チロ、大好き。
お前が死んだらどうしようっていつも怖くて怖くて
幸せなときほどずっと怖かったよ。
だから、今は恐怖で。
明日からの毎日が怖くて。
チロがいない生活が怖くて。
神様 連れて行かないで。



【沙門Samon】
【カリブ&マルガリータ】
【ダリDali】
【ショパンChopin】
【キトQuito】 ブルー♂。リブと連れ添ってきたが、子育てに悩み離婚。再婚後も妻に先立たれ、やけになってすさんだ暮らしをしていたが、何事にも明るくめげない蓮涙に惹かれ元の明るい性格に。
【蓮涙Hasumi】
【アランAlain】
【リブLive】
【レイLei】
【チビChibi】
【きよし&ヘレン】
【レオン&マチルダ】
【モンMon】
【サクラSakura】
【モナリザMonaLisa】
【ダ・ヴィンチdaVinci】 ブルーSPファロー♂。モナリザに遊ばれている年下の彼。
【北極&南極】 ブルーパステルペア。仲が良く、ふわふわの羽をいつも綺麗っこしている。巣引きも上手。
【しんのすけ&ヒマ】 イエローパステルペア。仲が良く、むちむちとした体をなすりつけあっている。もしかしたらホモ。
【ルパン&不二子】 アルビノ♂ルチノー♀。ゆで卵を割ったようで不思議な光景。
【リュウRyu】
【リンダLinda】
【ヒップHip】
【サマンサ】
【リンリンRinrin】
【マリオMario】
【シャルルCharles】 シュリがマリオとの間に作ったグリーンパステルレインボー♀。顔がシュリに似ている。手乗り度50%。
【しょうこShoko】 シャルルの妹。顔がマリオに似ている。手乗り度50%
【オスカルOscar】
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【フェルゼンFersen】
【雪之丞Yukinojo】 スパングルダブルファクター。 アンドレの元夫。男前で優しく冷静沈着。再会したアンドレが気になるも、スミレと生まれてくる子供のために生きようとする。
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【フィリップPhilipe】 王冠のような見事な頭を持つジャンボセキセイ。エリザベスにぞっこんも巣箱にこもられると仕方なくS子の相手になってくれる。
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【シバ】 パイドライトブルー。見た目は大きいのに穏やかで優しいラムセスの理解者。
。
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【加賀&更紗】 越後屋に生まれた娘「更紗」に養子を迎えて家を持たせた若い夫婦。子供ができないので少々悩みの種。
【鮫Same】 十姉妹集団と水浴びの順番を争うS家の元気印。
【ジュシーとマツ】 私が最も頼る十姉妹夫婦。世話好きで苦労好き。
【白鶴&白鹿】 仮母用十姉妹夫婦。毎日ものすごい運動量で飛び回っている。なぜ?
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【小太郎】 ブラックエボニー♂ 砂あび大好きで運動家。おねだりしておやつをゲットする姿がとにかくかわいい。
【お竜Oryu】 琉金 1歳。
【鶴子Turuko】 丹頂1歳。
【牡丹Botan】 オランダ獅子頭 1歳
【あずAzu】 東錦 1歳。
【らんちゅうベイビー】 一生懸命育てているらんちゅうの稚魚。毎日水替えが必要。
【メダカ】 ビオの住人。緋メダカと黒メダカがいる。
【チロChiro】
【松尾君】
【マック】
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