恋する小鳥

Irreplaceable 

旅立ちの良き日に

いいこでね



今日は3羽のヒナが新しいおうちへ去って行きました。
手渡しは惜別の瞬間がリアルでとても切なく、
発送のヒナについては、保温が大丈夫なのか、
寒くはないか、暑くはないか、
そのあたりが毎回毎回心配で仕方がなくて。
これまでそのことでの事故を起こしたことはないけれど、
毎回箱を作っては、色んなひとに聞いてしまう。
「これで大丈夫だと思う?」
「もっと孔を開けたほうがいいと思う?」
寒いだろうとチップではなく細切り新聞紙を多めに詰めて、
でもカイロが暑すぎるのではとさんざん空気を確かめる。
それでもやっぱり不安は消えない。
いつになったら慣れてくれるんだろう。

大好きなはじめちゃんも青エリカちゃんも美人パイドさんも、
みんなそれぞれ元気でいてくれたけれど、
さすがに3羽一度にお別れとなると、
ちょっと凹んで西濃の支店を出た途端に泣けてきた。

ちゃんと無事で届くか不安で涙がこみあげるのか、
走馬灯のように頭に映し出される思い出が誘うからか、
それともそのどちらもなのか、もうよくわからない。
帰り道にちょっとにじみ出したのを、
こらえてブッダの騒がしいお出迎えをやり過ごして、
部屋のドアに滑り込んで、鞄を置いた瞬間に
うああんと泣くのはもう定番だ。

巣上げした時にはじめて目があった時のこと、
挿し餌を食べるきの一生懸命な仕草、
鞄のなかですやすや寝ていた頭頂部、
カメラを向けたときの、ちょっと困ったような視線。

お渡しするように自分で募集しておいて、
こんだけ凹むなんて、たいしたドMじゃないか。

年に30羽お迎えしてもらったら、
私は年に30回この涙で泣く。
年に100羽お迎えしてもらえるようになったら、
私は年に100羽この涙で泣くに決まってる。
それはもう、決まってる。
はじめから、そんなのわかりきってる。
それが必然で、それは当然で、
私の目の前に横たわってる、
小鳥と暮らすことの一部分。
もう嫌だとか、うんざりだとか、
そういった感情はなにひとつない。
食べて寝ることと同じ、自然な日常のひとつ。
小鳥たちが巣立って、私はここに残って。

なんでそうなのかはわからない。
なんでそうなったのかは知らない。
でももう、考えることは放棄した。
地球は広い。太陽の歴史は長い。
鳥はたくさんいて、人間もいっぱいいる。
一人位こんなのがいたっていいじゃないか。


バイバイ、無事に着いてね、元気でいてね。
元気で育ってくれてありがとう。
こんなところに生まれてきてくれてありがとう。
私の人生の、たった数週間だけど、
淋しくないようにそばにいてくれて、
啼いて私を呼んでくれて、
私のことを必要としてくれて、
ほんとにほんとに、ありがとう。
言葉も通じないし、もう多分二度と逢えないし、
私と君たちは全然違う生物だけれど、
それでも大抵の気持ちは伝わると信じているから、
一生懸命お礼を目で、指で、訴えたよ。
私はただ、かまって欲しいだけのエゴイストなのに、
君たちにねだられて、お世話に追われているつもりで、
本当はただ君たちを利用して、
自尊心を満足させている淋しい独身者なだけだろうに、
後に引けなくなった我儘を積み重ねているだけなのに、
そんなことももう、
わかりすぎるほど、見えているのに、
それでも君たちは、あどけなく、
今もここにいて、私を見上げて、


ただただ、


このありがとうがちゃんと、
君たちの未来につながることを、
君たちが開く、新しい未来につながることを、
漠然と夢見てる。ここで、祈ってる。
今日も、
そんなふうにやり過ごした、
大切なさよならをみっつ。
戻らないさよならをみっつ。
アイシテルをみっつ。



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Category: 今日の小鳥たち
Published on: Sat,  08 2011 00:50
  • Comment: 3
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3 Comments

はな  

ありがとうございました

S子さま、この度は本当にお世話になりました。これだけS子さまの愛情をうけた子達を育ててみたい一心でメールしてしまいました。

今朝、ちゃんと生きているかなと気になって起きると、ケースとフリースの間にぴっりくっついて眠る姿が見えてホッとしました。
「パール」と命名しました。

今日はなんと飛びました!

我が家はパールを中心に生活がスタートしました。また家のなかが明るくなりました。S子さま、ありがとうございました!

2011/01/08 (Sat) 23:54 | REPLY |   

エンドウ  

はじめちゃん

このたびは大変お世話になりました

はじめちゃんは長旅で疲れたのと
お初の人だらけで気を遣って疲れたせいか
いまケースの底でうとうとしながら粟の穂をパリパリ食べています

実は受け取る側のこちらも夕べはいろんな感情が湧いてきてなかなか寝付けませんでした
京都から東京までの長い道のりを
小さな暗い小箱の中でただ一人(一羽)やってくるんだなと考えたら
なんか涙が出てきました
人間で例えればまだ幼子
怖いだろうな、心細いだろうな、と

支店で会計を待っている間
「はじめ~ はじめ~」
と周りの目も気にせず箱の小さな穴から声をかけてしまいました
車に戻って静かに静かに箱を開けてみると
そこには丸々として目がとてもきれいなはじめちゃんが!
「よくきたね!よろしくね!」と挨拶しました
ハミハミのお返事をいただきました(笑)
丸々としたお腹には S子さんの愛情がたっぷり詰まっているような気がしました
初めて掌に乗せたはじめの重さ、忘れません

どうもありがとうございました


2011/01/08 (Sat) 19:15 | REPLY |   

pioniko  

うんうん、
私が繁殖絶対したくないのも、
私、ホントにこういうのダメで、
もうつらくてホントに泣いちゃうからなのね。
ペットショップのおばちゃんに手伝ってって言われたときも、だからできないって断ったことがある。

売り物としてじゃなくて、
我が子として悲しんで慈しんで手放してくださるオーナー様から譲り受ける方々は幸せですね。
皆さんきっとこの気持ちをどうぞ受け継いで、それぞれの小鳥ちゃんをますます愛して下さるのではないでしょうか^^

2011/01/08 (Sat) 15:46 | REPLY |   

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