恋する小鳥

Irreplaceable 

それでもすべては整然と






福島の除染のドキュメントを観ていて、
驚いてしまったんですけど、
もちろん除染工事の問題のひとつひとつは、色々あるとして、
ひとつだけ、

黒い袋が集められ、並べられていたのですが、
それがもう、とてつもなく整然として並べられていまして、
日立の子会社の作業場のことでしたが、
本当に、すごい景色でした。
あのなかに詰まっているものが、ものすごい負のかたまりだとして、
どれだけ集めても、どれだけ作業が行われても、
なにも数値が変わっていない とおっしゃられる方もいて、
除染は本当に大変な作業で、永遠のようでしたが、
計画通りにそうそういかないとしても、
それでもまず、計画はなされていて、
あの黒い袋が延々と積み込まれていくのを、
指示をして整然と並べていく作業員の方がまたそこにいて、
彼は多分もう何か月と、あの黒い袋を、
ただそこに、規則正しく並べていくという仕事をずっとしていて、
毎日毎日来る日も来る日も、
命綱をつけて、屋根に上って、放射能を手で拭き取る人がいて、
それを袋につめる人がいて、
それを空撮でどこからどう撮っても乱れなく見えるほどに、
整然と並べる人がいて、
それはとても、とても賛辞してはいけないものなのだろうに、
どこまでも、誠実で、被爆の境界の静けさに包まれて、
本当に申し訳ないと思うような、
涙の出る光景でした。

日本では東電に対して厳しいし、会社として批判されるべくはそうで、
会社の責任や対面を重んじる国民性からは当然として見られることですが、
それでも海外では、「自分たちの国では考えられない」と言われた
Fukushima50の人たちのことを思うとき、私はやはり
どこかで
「ありがとう」
という気持ちになります。
800人のうち、750人が避難して50人が作業に残ったのが、
もう16日には180人に、18日には580人。
現在は2000人の人が、あの中で作業しているということ。
Fukushima2000。
何も終わってはいない と繰り返され、
本当にその通りだと思うなかで、
会社のために汚名を着ても、
家族と離れて放射能を浴びる危険に晒されながら、
心骨そそいで作業をする方たちがいる。
手で屋根瓦を一枚一枚拭いていくのは、
家をそのまま返そうと誰もが疑うことなくしているからで、
もし他の国だったら、国に地上げされて、
一斉に封鎖して潰されているかもしれない、
そうしなさいと、他地域から意見が出るかもしれない。
全部新しい家を建て直す。
そのほうが圧倒的に早いかもしれない。
でも、そんなわけにはいかないから、
できるだけもとに戻して返すのが筋だと思っているから、
そんな意見は出てこない。
人々は自分達で努力して避難して、
自分たちの責任で新しい生活を始められていく。
帰ってこれる日を、耐えて待たれている。
悲しいほどに、まじめだと思う。
スポーツの世界でサムライ、サムライと簡単に言うけれど、
本当に鋼のような強さと誇りは今、東北にある。
それが日本だから、個人の財産は個人のものだから、
どんな家にも愛があるから、
それを建てた歴史があるから、
国中のひとが、理解している。
固唾をのんで見守っている。
福島の人々に、福島が完全に戻ることを。
家を建てたひとが、その家に住めることを。
それはまだ途方もない未来のことのようにテレビでは流れていても、
黒い袋を並べているあの人たちにはきっと見えている。
計画があるからこそ、あの並べ方が存在しているはずで、
何十年先までの計画を何千人のひとが目指して生きている。
地球上で最悪の被害に遭った広島や長崎の今があるからこそ、
この一連の工事プロジェクトは、
きっとうまくいく、そう信じたい。そう話してる。
誰もができることではないことを、
体の健康をかけて、やられている方はみんな尊敬されていい。
カメラの視点はどことなく、
悪徳業者の部分を探し出そうとしているかのように彷徨っていて、
そんな中で、意外に撮影できた実際に作業の様子 なような
切り取り型でした。
もうすこし、焦点があったなら、
彼らにも焦点があったなら、
もっと除染工事に対する理解や応援や、
勇気が広がることもあるのではないか、
報道の仕方によって、かなり左右されてしまう問題があるのではないか、
そんな風に思った、3月11日でした。
京都にいる私でも、神戸の震災のあとの数年は、
ちょっとした地震でも体が覚えているのか怖さが増していたから、
今も頻繁に起こる関東の地震が、
以前より怖くなった方が多くおられるかもしれない。
どうか少しでも余震がおさまりますように。
どうせなら夜中に起きて、
気づかないで朝起きることができますように。


※少しづつですが津波後の町が、現在どうなっているのか、
見ることができるサイトがあります。
こちらで写真をクリックしてみてください。






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Category: 応援メッセージ
Published on: Sat,  16 2013 04:57
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