恋する小鳥

Irreplaceable 

セキセイインコさんのところで

羽衣セキセイインコさんのチチと
ポポちんがひっついて一年ほどたつのだけれど、
ポポちんが卵を産んでしょうがない。
巣箱もないのにグラウンドに次々生んで、
取り上げてもまた生む。
羽衣セキセイさんは何度か卵を産むと卵巣にかたまりなどができ、
日常生活にそれほど支障はないのだけれど、たまにおできになったりするから
もう繁殖など誰もしなくていいと思っているのだけれど、
それでもたまにぽろぽろと、みんなそれなりに無精卵を生む。

別に無精卵をたまに生むのはむしろ健康な女子の証拠だと思っているから、
発情しないように特別に何かをすることもない。
みんな真剣に温めるわけでもなく、
「アタシ男いないのに子供生めるわけないじゃない」
みたいな顔してスルーしてる。、
でもポポぽちんはそれではおさまらない。
たとえ別の女子の卵でも、その上に座って6個ほど揃うまで生む。
例えば、発情対策に卵の模型の売り物があるし、
正直色んな大きさコンプリートで確かに持ってるけど
そもそも無精卵しか生まないチチの卵を
今更取り替えたところでどうこうなるものではない。
だからある程度温めさせて、好きにさせてやって、
「また・・孵らなかったわ、おかしいわね」
で、気が済んだら諦めてやめてくれるので、いつも放任していた。
ただ、チチにとってはポポちゃんは大事な恋する相手だったようで、
ポポが卵を温めると、さも彼女が自分の子供を温めてくれているかのように
世話を焼いてまとわりついて離れない。

かといってチチとふたりきりの籠で生活させてみても。
用意した巣箱のなかに卵を産むこともなく、交尾をすることもなく、
ポポちゃんはひたすらに無精卵ばかりをグラウンドに生む。
なので、結局巣箱は取り外し、
床材を全面コルク粒にして、卵が割れないようにして、
その上で抱卵して動かないポポちゃんに、口移しで餌を与え水を与え、
チチはうっとりと毎日ポポちゃんを眺めていた。
チチは多分、あの地面に這いつくばって平べったくなったポポちゃんの姿に惚れたのだろう。
巣箱にこもるのが好きな女子は多いけれど、
ポポちんは完全なは見せびらかし派である。
長年のエア抱卵で鍛えた美しい媚態で、
母神ぶりをまざまざと見せつけてくるのである。


そのときたまたま、沙門ちんが抱卵を放棄した卵が出た。
まさかの大きな卵だったけど、
ふ卵器など持っていない私は、つい、いつもの癖で
抱卵中の別の奥さん鳥のおなかの下にいれてしまった。
そう、ポポちんのおなかのなかに。
完全に、托卵である。
最近はNTR(ネトラレ)というジャンルと並んでメジャーなワードになっちゃってるが、
托卵という言葉を、現在私は本当に正しく使っているのではないだろうか。
ただカッコウさんとモズさんの切ない托卵ではなく、
あくまでおなかを借りた、温度を借りたという気持ち。
しかもどうせ沙門が一度放棄した卵なんだからこれも孵らないだろう、
そんな油断をしていた。
しかし、しかしである。
ポポちんのおなかに入れた卵は、
なんとなく日に日に艶がなくなり、乳白色の殻はマットさを増していった。
なにしろケージのグラウンドにあるのだからよく見える。
どう考えても無精卵の色じゃない。

やばい。

他の卵の二倍ほどあるその卵を
抱卵だけが趣味のポポちんが、分け隔てなく温めていた。
取り上げてよく調べたくとも、鬼の形相のチチがいてもう近づけない。

そして、早朝、とうとうその日がやってきた。

声の鳴くほうを、部屋の小鳥達がみな緊張した顔で見つめてる。
沙門もケージの角にへばりついて一心に何かを聞いている。
チチとポポちんのケージをのぞいてみると、セキセイの雛ではありえない、
毛むくじゃらの雛がポポちんのおなかのなかにいて、
あの大きな卵の殻がパックリと割れて散らばっている。
その周りをずっとパニックだったのか、
チチがどうしよどうしよと籠の中のグラウンドを走り回っている。

急いで餌を交換して青菜もやると、
とにかくルーティンを初めて落ち着いて食べ始めるチチ。
そのあとも何度も何度も食事を雛に与えようとしても
うまくいってないように見えてひやひやした。
チチもウロコインコの雛に餌をあげるのは初めてで、
嘴がうまく割れて餌を与えられているのか、ドキドキしていた。
夜にようやく、ごはんが雛のそのうに入っているのを確認できた。
このまま任せて大丈夫かどうかはまだわからないから、
パウダーフードとシリンジの用意はした。今日のサイズは2cmぐらい。
一番小さなシリンジでも難しい作業になるから、
できるだけチチとポポちゃんで育ててほしいのだけど・・。
そしてもうひとつの卵は今マメルリハの月子ちゃんが育ててる。
こちらは抱かされているウロコインコの卵について、少々の疑問はあるようだ。
一体どうなることかな・・・。



















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Category: メイクラブ&ベイビー
Published on: Fri,  10 2016 23:14
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3 Comments

mina  

初めまして

最初から読み始めてやっと追いつきました。
10年位前に文鳥を飼っていたのですが、昨年保護されたマメルリハを引き取ることになり、調べていくうちにこのブログと出会いました。
たくさんのことを参考にさせて頂き、小鳥以外のことでも楽しく読ませてもらっています。
久しぶりの更新嬉しかったです。
また遊びに来ますね。

2016/06/14 (Tue) 16:56 | REPLY |   

ぶう  

またまた何やら始まってますね。セキセイさんのお腹の下のウロコのヒナちゃん、見てみたいかも。なんとか無事に成長すると良いですね。月子ちゃんのところはどうなるかな。また教えてくださいね。

2016/06/14 (Tue) 10:22 | REPLY |   

キキ  

No title

「恋する小鳥」の主役さんたちが健在で良かったです♪
かなり以前にテレビで見たお話しですが、
一羽飼いのボタンインコのメスが無精卵を抱卵しているときに、
買ってきたウズラの卵を1個まぜたら、
奇跡的にウズラの卵が有精卵で、ヒナが孵ったそうです。

小さいマメの月子ちゃんが、
沙門ちゃんの大きな卵を抱卵しているとは…。
トレーニングボールに乗っているような姿を
想像してしまいました。

S子さんも、鳥さんたちも、どうぞお体に気をつけて!

2016/06/11 (Sat) 10:10 | EDIT | REPLY |   

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