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恋する小鳥

Irreplaceable 

時代劇の話

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長谷川平蔵が、火付盗賊改方長官になった年は42歳・・。
それをこえましたよね、こえたとき震えましたよ。
42歳から張り切って盗賊を狩って人のために正義を尽くして50歳でパッと死んじゃう鬼平を思うと、
私なにやってんだろとしか思えない、ふがいない。
ドラマや小説になった鬼平も好きでしたが、
かたや剣客商売の秋山小兵衛は59歳で18歳の娘に手をつけて結婚に持ち込まれて93歳まで生きるのに、
鬼平死ぬの早すぎです。まあ剣客商売のほうは作り話で、実際の人物じゃないですけど。

時代劇は子供の頃からよくテレビで観てましたが昔はエロシーンが多くてお茶の間凍り付くばかり。
父がやたら時代劇を好きなひとで、寝てるときも時代劇チャンネルを一日中かけっぱなしにするようなひとで、
ここ10年以上音信不通で噂では癌で入院したとも聞いた気がしますが、、
今も多分生きて、自宅で毎日古い何度も観たドラマをまた見てるんじゃないかと思います。

大人になって時代劇を観ると、今では地上波ではできないだろう
若い女性を縄で縛って天井から吊って水をあびせかけて青竹で突く拷問シーンとか
複数の浪人による緋襦袢着せられての手籠めシーンとかがすさまじく、
今となっては父もただ着物エロが好きなひとだっただけなんじゃないかと疑っています。
勧善懲悪とか、剣術使いとか、一生懸命観てるけど意味わかってる?といつも不思議でした。
本当に仕事人がいるなら小判で成敗される側のひとだったと思うし。


時代劇は紳士用呉服を学ぶにはいい塩梅で、それ以外に風景も綺麗だし、家の内装も小道具も美しい。
呉服関係のお仕事していたときは、ただただ言葉とか、話のネタとか、衣装や風習とか、
とにかく仕事として見てました。

そのうち爽快な殺陣だけでなく人情的な良さもわかってきたけど、大体鼠小僧しかり大奥しかり、
京都で撮ってるのに江戸が舞台のお話が多いので田舎者の私には別世界のファンタジーみたいで、
まさしく東映の作り物のようで敷居が高かった。
語ろうにも本所とか巣鴨とか行ったことないですし、想像ですませることが多くて多くて。

それに比べると鬼平は父親が京都づとめだったので京都にいたし、
鬼平になったあとも京都や奈良に遊山に来るので、
親しみが強かったり、話題にしやすかったのだと思います。
池波先生の小説だと今の仕事場のところを探索に通った記述などもあって、嬉しい。

京都にいるときの長谷川平蔵はグレていた生意気な男なんだけど、若さゆえかっこいいんですよね。
それが親父が死んで家督をついで、そこからどんどん出世していって、
とうとう若いながら長官に抜擢され、
悪いことをやってきたからこそ悪い奴の考えることがわかるやつとして活躍しちゃう。
史実であれ、池波小説の主人公であれ、設定されたその円熟期の平蔵の年齢、
その平蔵の年を今生きているのですよ、それが怖い。
なんにもできていないのに、憧れていた平蔵の年になってる。こわい。
子供の頃はあの年になるのは、ずっと遠い話だと思っていたのに。

最近長く裁判したあとで、ひどい殺人事件を犯した犯人なのに無期懲役になったり
無罪になったり、何年もかかってようやく死刑になったりするニュースが多いじゃないですか。
ああいうのを知ると、鬼の平蔵が現在にいたら驚くだろうなあと思います。
平蔵は盗賊でもまことのおつとめといって、血を流さず裕福な金蔵からちょこっとくすねる盗賊には目もかけますが、
家の者を皆殺しにしたりする残虐非道な強盗たちには容赦がなくて、
あじとに踏みこんで捕らえることができそうなときでも、

「こいつらはもう生きていてもまた迷惑かけるだけだから容赦なく斬ってしまえ」

と勝手に言い出して、お白洲に送らず特権振りかざしてこっちこそ皆殺しにしちゃう。
もしくはちゃんと捕らえても特権使って翌日に超スピード裁判で打ち首と決め、
その日のうちに市中引き回しのうえ首をはねて晒し者にする。
そりゃ盗賊も鬼の平蔵って言いますよね。捕まったらその日か次の日には大体の確立で死ぬんだから。

鬼平は何年か前にアニメにもなってましたね。
鬼平は小説だと小太りの小男なのに実は強いという設定が、
アニメだとくるくる巻き毛の痩せた見るからに敏捷で強そうな男前で
吉右衛門さんのイメージの強い鬼平像とは違いすぎてびっくりの声が多かった。
ですが、私のイメージは無理矢理ハンチョウの佐々木蔵之介さんみたいなかんじで想像することにしてるので、
あれくらいの鬼平で良かったです。隠密もみんな美男美女に描かれていて眼福でした。
また40代くらいの若い男優さんで、アニメで許されるならドラマでも小太りでない方で、
ドラマ化して欲しいなあと思います。
山本周五郎、藤沢周平あたりがよく映画になっていますが、
私は彼らのお話は武家の女性が良い男に巡り会うことだけが生きる道みたいな
シンデレラストーリーが多くて嫌悪感でいっぱいになってしまうので、
もっと爽快な隠密斬り物語系の復活を心待ちにしています。







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Category: 鳥以外のこと
Published on: Fri,  10 2020 01:13
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鬼平、時代劇、長谷川平蔵

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