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恋する小鳥

Irreplaceable 

分離不安症とかいう犬

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私は世間と断絶世界みたいなところで生きているので
ほとんどコロナのニュースは聞かないようにして生きている。
一度だけ母がスマホを新調したというのでもろもろの設定させられていたときに
コロナというところをタッチすると、本日の感染者数、死亡者数、増加数、
住居兼内数、都道府県別数、国別数、みたいなのがわーっと出てきて、
その情報の多さに驚いた。
たったひとつのタッチで、ものすごく情報が入ってくる。
これは大変便利だろうと思うとともに、本当にこれだけの情報を
毎日毎日ひとりの人間が読んで把握していくようになれば、
どんどん人間の情報処理能力は長けていって、
いつかは昔想像した宇宙人のように
少し頭が大きくなるように進化していくんじゃないかな、なんて思った。
心が壊れるひともいるんじゃないかな、なんて思った。


数年前から家に引き取って同居している祖母はなんというか昔の人なので、
そのあたりで手を拭いたり、直箸をしたり、ふるまいに野良のようなものを感じるので、
潔癖症の母は狂ったように祖母の手を拭いている。
彼女を引き取った初年度には私も母も夏風邪を大きくこじらせたことがあり、
どうもデイケアサービスから祖母がウイルスを常に持ち帰ってきているような気がして、
それ以来椅子からドアから消毒しまくっているので、
今更コロナだからとそれほど変わることもなかったが、
こんなに病院がひっ迫していると伝えられている年に限って、
母が脊椎狭窄症で寝たきりになり、祖母は心臓病で救急車で運ばれていった。
コロナなのでろくに両方ともお見舞いもできなかったけれど
祖母は救急隊員に運ばれる前に、

「これでもう今生の別れだと思います。今までお世話になりました。」

と言ったので、もう二度と帰ってこないものだと思ってた。
98歳だもん、思うじゃん。死期を悟るって本当なんだなって。
だから近所が救急車のサイレンに恐れて「コロナですか?」と恐る恐る聞いてきたときに
いいえ祖母が老衰で死ぬと思いますって自信満々で言ってた。
まさか死なないと思わないじゃん。

祖母の主治医は検診のたびに、祖母が苦しみを訴えても
そんなに生きたことがないから僕にはよくわかりませんって言うくらいのひとで
もうあとは野となれ花となれみたいな感じだったのに
どうも名医だったみたいで、ちゃんと治して前より元気になって帰ってきたわ。

母は寝たきりになって鎮痛剤中毒みたいになって、こんこんと眠っていて、
起きたら起きたで「もう二度と歩けないんだ」だの「本当は大腿骨壊死で死ぬんでしょう」だの
嘆きに嘆いてオペラのように大騒ぎしていた。

痛いと言い出してからはもうスーパーに買い出しにも行けないので、
私が仕事の合間に実家に戻って
買い物に行って作り置き好きじゃないんだけど大量に作るようになったので
お料理の勉強になって、冷蔵庫がタッパーだらけになったわ。
またプラスチック買っちゃったって、意気消沈もしてる。

今はセカンドオピニオンで巡り合った医者が凄く決断の早い先生で、おかげで手術で元気になって
リハビリも軽いまま元通り歩けるようになって、祖母も犬の世話も私は解放された。
渦中の数カ月は私は体力だけの勝負だったし、
あまり家族の一大事に不感症なところがあるので平気だったのだけれど、
祖母は娘の長期不調に認知症が進んでパニックになるし、
犬はどよーんと沈んで、夜泣きしたり、祖母のパニックに怯えて隠れて出てこなかったり、
寝たきりの母にもそのあと入院して姿が見えなくなったことにもついていけないみたいで、
いつもの鬱を発症して大変だった。

すごいなあと思ったのが、母が立てなくなって部屋で寝たきりだった間は、
散歩のコースが短いの。ちょっと行けばもう帰るという。
母が入院しているときもそうだった。どんなに誘っても、なかなか家から離れようとしない。
それなのに、母が退院してきて、元気になったと感じたときから、
また遠くのコースまで、ぐいぐいと私を引っ張っていくようになった。
もう家から離れても、母はいなくならないと思ったのだろうか。
犬のことは賢すぎて今もよくわからない。
この子より先に逝けないと、母はいつもこぼしているし、
もう二人して毎年入院するのやめてほしいと、私も思ってる。

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Category: 恋する犬
Published on: Wed,  16 2020 23:43
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