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恋する小鳥

Irreplaceable 

違うひと その1

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クリスマスなのでね、何も予定のない私はですね、
今年も鳥たちと過ごしてましたよ、ええそう。
みんながハッピーですからね、やっぱりここはひとつ、最近遭った怖い話をしようと思います。



8年前くらいかな、植木屋さんをね、替えたんですよ。

そもそも祖母が注文する田舎の地元の植木屋が長年来てくれていたのですけど、
仕事で京都の寺社などの古い庭を預かる庭師さんたちとお付き合いがあった私には
我慢できないようなふるまいが多々あってですね、
切り方云々よりもうちの庭を切りながら隣家の仕事もその場で受けて切りに行ってしまう、
うちが払う日当とか駐車場代のまま隣の家を切るのは違うんじゃないかというような
そういう義理を欠く件について気に入らず、別のところに依頼することに決めたのです。

今ならそうでもないのですけど、若いときは生意気で血気盛んでしたので、
祖母の教え子という忖度で腕関係なく仕事をもらえてそういうことを長年やってる
そのひとたちの調子のよさが私には受け入れられなかったんです。
それでも2年我慢して注意したのだけど、結局私は彼らより40歳くらい下の女で、
植木の何がわかるみたいなものだったので聞いてもくれない。
毎年一年前から依頼しているうちの庭を途中で放置して、
道具や梯子を沢山並べて置き場所にしながら別の庭を切って小金を稼ぎに行ってしまう。
そこでまあ大将がヨボヨボだったのを理由に、別の植木職人を呼ぶことにしたのです。

ただ、大した庭のサイズでもないので、経済的にも考慮して、
知り合いに紹介してもらった腕はいいけど集団で動くのが苦手という
フリーの植木職に依頼しました。
彼はとても背が高く作業着を着た中年の愛想の良い方で、おしゃべりで
内容についていろいろとお願いしている間はわかったわかったと軽く了承してくれるのですが
なんとなくつかみどころがないかんじで、私はちょっと苦手だなあという意識がありました。
紹介してくれた知り合いも、ちょっと頭は悪いから最初に細かく説明しなくてはいけないけど、
腕は本当に凄いからまかせたらいいよと言ってくれていたので
そのとおりに説明には時間を割いて頭を下げてお願いしたのです。


で、ですよ。

年末しかスケジュールが空かないというのを待って、
朝から松や生垣などを刈ってもらっていたらですね、
絶対に隣家に頼まれてもうちの仕事が終わってからにしてくれと頼んでいたにも関わらず、
それが前提で雇っていたにも関わらず、
午後から姿が見えないなあと思って探してみると、
悪びれもなく隣家の枝をパチンパチン切ってたのですよ。
うちの庭に大ハシゴなどを並べてですよ、借りた駐車場に車を止めておきながらですよ、
去年までのジジイと変わらないことをやってくれたのですよ。
あれだけ念を押したにも関わらず。

しかも切らないでくれといったユーカリを切られてですね、
添え木代まで打ち合わせした松の添え木をやっぱ必要ないといってやらなかった。
冬に必要なく見えても夏に台風で揺れる部分があるので絶対に添え木は必要だとこんこんと説明していて
事前にわかったわかったと了承しておいて、
現場で松見たら、いらないと思ったのでやめた、そもそも添え木持ってきてないとまで言う。
それ以外にも色々反故にされたんですよ、怒ってもぽかーんとして笑ってごまかすだけ。
なんというかヌカに釘といった感じで通じ合える気がしない。
当時、祖母と色んなことで全面戦争中だった私にとっては

「結局色々同じだったのに地元以外の職人なんか呼んだもんだから金はかかったらしいよ」

なんて失点になりかねない事態でしたから、神経使って(#^ω^)ピキピキきてましてね、
もう怒髪天を衝くですよ、

その年限りで次は呼びませんでした。

それでね、次の年からはまた知り合いに頼んで別の若い職人にお願いしたんです。
すると、その人はなぜか白い作務衣に頭も白い布で覆った異様なスタイルでやってきて、
それがまるでオウム信者のようだったことから、今度は隣家も怯えて声をかけてこない。
仕事の腕はすごく繊細な切り口ばかりでちょっと物足らない仕上がりだったけれど
私は隣を切らなかっただけで大満足してしまい、それから数年彼にお願いするようになりました。
ただ、知り合いと彼の間でいざこざがあり、突然縁が切れてしまったので、
急遽去年の年末に、彼に依頼することができなくなりました。
そこで、因縁の隣家の主人も亡くなっていたこともあり、
少々気まずかったですが、一年で交代した背の高い職人さんをまた呼ぶことになったのです。
彼のほうが腕がいいからと知り合いはいつも薦めていました。
今度こそ大丈夫だからと。
知り合いが連絡すると一度縁切りしているにも関わらず彼は快く受けてくれたようでした。
母に報告すると、オウムっぽいひとが出入りすることに毎年近所の目を気にしていたようで、
前のひとのほうが良かったからほっとすると喜びました。私はそれがとても意外でした。
必ずユーカリに手を出させないようにと念を押し、
母にまかせて二日目、ようやく実家に帰り、仕事中の彼に再会いたしました。
そこにいたのは、

小さな小さなおじいさんでした。



つづく


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Category: 恋するガーデニング
Published on: Fri,  25 2020 02:03
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